〜エピローグ〜図鑑への憧れ
みなさんのお宅には図鑑がありますか?
あ、すみません突然。凡主婦ムーと申します。
私は自分が小さい時に、家に図鑑があった記憶がありません。
でも、図鑑への憧れはありました。
たぶんそれは、私の30年来の友人宅に、小学生当時図鑑があったから。
彼女は博識で、天体や科学に興味があったり、私の知らない世界をたくさん知っていました。
まぁ当然頭の良い子でしたが、勉強を頑張っているというよりも、“勉強を楽しんでいる”ような風情がありました。
一番衝撃的だった出来事があります。
それは中学生の頃。超文系の私は、化学式の授業で頭が爆発しました。
意味のわからない化学式の羅列を暗記したり、くっつけたり離したり、なんでこんなことするの?これ誰得なの?
まさに体が拒絶反応を起こすがごとく、私は科学を毛嫌いしました。
そもそも理科や科学の授業が嫌いで、冬の寒い中理科室へ行って実験したり、リトマス紙を赤くしたり青くしたりすることに、面白さのかけらも見つけられませんでした。
しかし彼女は言ったのです。
化学式の授業が好きだと。おもしろいと。
おもしろい?どこが?なにが?
その時に思いました。私は国語や歴史は好きで、そんなに勉強しなくても割と良い点がとれました。それは確かに、自分にとって面白いからです。
私が国語や歴史に面白さを感じているのと同じように、彼女は科学という学問の面白さを知っているんだ。
つまり、私に見えない科学のおもしろい世界が、彼女の目には映ってるんだと。
いいなぁ。
単純にそう思いました。そして、知らないってもったいないなぁ〜と。
そんな彼女の家にはたくさんの図鑑が並んでいた。
もちろん、ただ図鑑が家にあった事だけで彼女が博識だったとは思いません。
もし仮に当時の私の家に図鑑がいっぱいあったところで、私がそれに興味を持ったかはかなり怪しいです。(たぶん動物と恐竜しか見ない。)
でも、何かに触れるきっかけにはなったんじゃないか。
だから、子供が生まれたあとに思いました。面白いと思える世界をひとつでも増やしてあげたい。
図鑑を見せてあげたい。そして私も図鑑を見てみたい。
思い出話に花を咲かせてみましたが。
ここからはそんな、私と子供と図鑑のお話です。
親が見せたいだけで買った1冊目。
最初に買ったのは「小学館の図鑑 NEO」の“動物”でした。娘が2歳のころです。
娘は動物好きだし、私も動物好きだし、DVDついてるし、芦田愛菜ちゃんが宣伝してるし。まっ、これでしょ!と、ものすごく薄っぺらい感じで決めました。
ワクワクしながら開きましたが、なんというか・・図鑑そのものはイラストが多く、なんとなく教科書みたいな印象。
とはいえ一番のお目当てはDVDだったので、それを鑑賞。
ドラえもんがナビゲーションをしてくれて、初級編〜博士編と段階別に色んな動物を紹介してくれ、ある程度は娘も楽しめました。
ミーアキャットが日向ぼっこで立ちながらバタッと寝ちゃうとこなんて最高に可愛くて、何度も見ました。
でも、ハマらなかった。
親が良かれと思って押し付けることを子供は本能で見抜く
やっぱり最大の敗因は、親のエゴでしょうね。
なんかもう、図鑑とかに興味もってほし〜ぃ!みたいな、親の下心がダダ漏れだったんでしょう。
以前塾の講師をしている方が、「子供はね〜、親がやらせようとしてることは気付くんですよ!そしたらやりたくなくなるの!」と言っているのを聞いたことがありますが、まさにこれ。
さらには2歳という年齢も早すぎたと思います。もちろん興味があれば何歳だろうと早いことはないと思いますが、うちの場合は私が勝手に舞い上がって、完全にスベった形です。
その後なんとか興味を持ってもらおうと、動物園で見た動物を帰ってから図鑑で探して、シールを貼る・・とかもしてみましたが。
イラストだし、撮った写真と見比べてもはっきりしないものがあったりして、いまいち盛り上がらず。
そして第二子の息子が生まれたあと、頼みの綱のDVDも破壊される事態に。
そんな苦い経験を経て、私は図鑑に対して懐疑的になっていました。
はいはい。どうせ図鑑を前のめりで見るのなんて、よっぽど興味があるか、ひと握りの選ばれた子らだけなんでしょ、と。
図鑑MOVEとの出会い
そんなこんなで図鑑とは距離を置いていたのですが、ある時「講談社の動く図鑑 MOVE」の、“魚”と“昆虫”を見る機会がありました。
そしたらなんと。予想外の食いつき。
娘も息子も持っていかれました。
確かに大人が見ても面白いんです。
映像がダイナミックで、展開もおもしろい。
魚達の狩りの様子をコミカルなナレーションで伝えたり、クワガタの戦いを王者決定戦のトーナメントと称して実況中継で盛り上げたり。
図鑑そのものを見ていても、魚や昆虫の実物の写真が使われていて、さらにその写真も大小のメリハリがつけられていて、パッと目をひきます。
そしてこれを機に子供の図鑑熱が高まり、もらったお小遣いなどを使って少しずつ自分の好きな図鑑を増やしていくようになりました。
その後図鑑を改めてリサーチしてみたところ、MOVEはこういった映像のダイナミックさや面白さを売りにしてるみたいですね。
大手3社を比べた時に、
小学館 NEO → 情報量の多さ。ドラえもん。
講談社 MOVE → NHK映像&見せ方の面白さ。
学研 NEO → スマホ専用アプリでも見れる最先端仕様。
大体このへんがよくあげられるようですが、こちらの元書店員さんのブログで詳しく比較解説されています。

図書館で借りて比べるのもカシコイ
私が早まって最初の1冊目を買った時には考えもしなかったのですが、図鑑って図書館でも借りられるんですね。
図書館で借りて、実際に反応を見てから買えれば、それに越したことはないですよね。
購入の前に近くの図書館にあるかどうか、一度調べてみてもいいかもしれません。
ちなみに私が住むエリアの図書館は、インターネットから予約をして、近くの公民館で受け取れるサービスをしています。
図鑑は1冊が重いので、自分の地域の図書館がどんなサービスをしているか調べてみるのもオススメです。
図鑑選びは子供にまかせる!
さて、初めて図鑑を買うとなるとどんな種類がいいか迷うと思います。
もちろんまずは子供が好きそうなもの・・と考えるとは思いますが、いざ本屋に行って眺めてみたら、全然未知のものを子供が選ぶことも案外多いです。
大人の目線で考えると、「動物」「昆虫」などいかにも無難で長く使えそうなラインを選んでしまいがちですが、結局は子供が興味を持ったものが一番だと思います。
うちの長女も、「は虫類・両生類」や「大むかしの生きもの」など、「え?ほんとに好き?ほんとに見る?」と購入前に親が不安になるようなものもありましたが、やっぱり自分で選んで買ったものは興味を持って見ています。
結局親がななんだかんだと悩むよりも、子供に選んでもらうのが一番だとわが子の様子を見て痛感しています。それでもつい口出ししたくなるんですけどね・・。
図鑑の役割って?
さて、最後になりましたが、図鑑を買ったことのゴールってどこでしょうか?
散々ハマっただのハマらないだのという観点で図鑑について話しましたが、子供がハマるかどうかだけが図鑑のゴールだろうか?と最近思うようになりました。
たまたま子供がMOVEの図鑑にハマって、何冊か家に揃ったあとだから気付いたのですが、そもそも図鑑を買った意味って「今その子にとって興味があって、たくさん見てくれるから」だけじゃないように思います。
もちろんすごく興味を持って、日々眺めてくれたら「大成功」なのかもしれませんが、しょっちゅう眺めなければその図鑑を買った意味はないでしょうか?
1冊目の図鑑を買った時の私がまさにそうだったのですが、絵本のようにすぐに結果を求めてしまっていました。
だけど本来図鑑の役割って、たまに気になった時や、興味が出た時にパッと見たり調べられたりできることにあると思います。
しかも、大人の私が知らないことがわんさか載っている。
家に専門知識を持った博士が待機してくれているみたいなもんです。
2200円で常駐の博士を終身雇用していると思ったら、なんとお得なことでしょう。いやむしろブラックすぎるほどです。
と、長くなりましたが・・。
最初は幼少期の憧れから始まった図鑑選び。
図鑑はもうすっかり大人になった私にも、知らないことをたくさん教えてくれます。
これからも子供と一緒にワクワクしながら探せたらいいなと思います。